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Kielten Kaiku キエルテン・カイク

ことばコトダマ、弦の響き 古典音律小型カンテレ

教会の鐘とカンテレ

教会の鐘の音を模倣した音楽は、

フィンランドの民族楽器カンテレの伝統的演奏の

大切な要素のひとつであると言われています。


でも、フィンランドを訪れた際に私がよく目にした教会は

プロテスタント系ルター派の教会が多く、

鐘がにぎやかに鳴っているのを聞いた記憶があまりありません。


教会の鐘の音を模倣したメロディを奏でていたカンテレ弾きの方々が

実際に聞いていた「鐘の音」はどんな感じのものだったのかな〜?

とずっと疑問に思っていました。


そんなところに、昨年、カンテレ奏者のミンナ・ラスキネンMinna Raskinenさんが

教会の鐘の音楽から着想得て制作されたアルバム『Rinki』をリリース。


Minna Raskinen ミンナ・ラスキネン:15弦カンテレ、19弦カンテレ、コーラス
Tapani Rinne タパニ・リンネ:バスクラリネット
Markus Ketola マルクス・ケトラ:エレクトリック・ビブラフォン、パーカッション

アルバム『Rinki』は、フィンランドのカンテレ協会選定の
2017年最優秀カンテレ アルバム賞(2017 vuoden kantelelevy)」を受賞しています。

ミンナさんは「鐘」の製造でよく知られるロシアのノヴゴロド州ヴァルダイの

鐘の博物館(Музей Колоколов)を訪れた際、感銘を受け、

このアルバムを制作されたとのこと。



そこで、フィンランドのカンテレ文化が伝わる地域の人々が耳にしてきた「鐘の音」というのは、

地理的、歴史的にみて、キリスト教の中でも「正教」系の「教会の鐘」だったのであろうと考えて

ネットでちょっと調べてみました。

(ちなみに、現在、フィンランドでは、キリスト教の「ルター派」と「正教」が国教となっていて、

人口の約80%がフィンランド福音ルター派教会員、約1%がフィンランド正教会員だそうです。)


個人的にはキリスト教に関しては、カトリックとプロテスタントの基礎知識はありましたが、

正教系についての知識があまりなかったので^ ^;;; これを機会に知ることができてよかったです。


以下、参考になった日本語で読める記事や、動画などを貼っておきます。

ご興味のある方、どうぞ♪


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カンテレ奏者はざた雅子ウェブサイト
カンテレの名曲 コネヴィツァ教会の鐘/Konevitsan kirkonkellot

京都大学交響楽団ウェブサイト
鐘、正教音楽とラフマニノフ

ロシア・ビヨンド ウェブサイト
ロシア人にとっての鐘
記事の中に、実際に教会の鐘を鳴らす鐘楼守りの映像もあります。

ロシア・ビヨンド ウェブサイト
正教会の鐘楼守という仕事

函館ハリストス正教会ウェブサイト
正教会読み物〜教会の鐘

北海道人としては、身近なところで函館のハリストス正教会の鐘。



正教系の鐘の動画、You Tubeにはた〜くさんあがっているのですが、
い〜ろいろ聴いてみた中で、私がカンテレ曲みたい〜と感じたのはこちら。
ロシア連邦中北部のコミ共和国レトカ村の鐘。
コミ共和国のこともロシア語?もよくわかりませんが^^;;;

bellringervideoのYou Tubeサイトには他にも鐘の動画がたくさん上がっています。
ご興味のある方は聴き比べてみてください♪


身近なフィンランド人留学生などに聞いてみると、一般のフィンランド人には、
Piirpaukeバージョンのコネヴィツァ教会の鐘/Konevitsan kirkonkellotが知られているようです。



新しいところで、モダンなポップカンテレ奏者Ida Elinaバージョン「The Church Bells of Konevitsa - Konevitsan kirkonkellot」。



そして、「コネヴィツァ教会の鐘/Konevitsan kirkonkellot」とは別の曲ですが、
「kello」(フィンランド語で「時計」「時刻」「鐘」「鈴」などの意味)つながりで、もう1曲。
マルッティ・ポケラ作曲の「The Bell Polka/Kellopolkka」(1988年)



近代カンテレの父と言われるマルッティ・ポケラ Martti Pokela(1924-2007)は、
当時のフィンランドでは、廃れかかっていた小型カンテレの復興と普及のために
5弦カンテレの新しい奏法なども考案した人でもありました。
この曲の弾き方は、古くから行われてきた小型カンテレの奏法とは異なり、
5弦カンテレを粘着タブなどでテーブルに固定し様々なテクニックを使って演奏します。
演奏は、Antti Kettunenとハンヌ・サハHannu Saha。ユーモラスな振り付け付き♪

ハンヌ・サハ(左)は、カウスティネン・民族音楽研究所の所長(1985〜2002年)や、
フィンランドのシベリウスアカデミー民族音楽学科の教授(2009年〜2014年)を歴任、
研究者、作曲家、指導者、演奏家として活躍。
マルッティ・ポケラとともに、カンテレのみならずフィンランド民族音楽界の発展、振興を
牽引してきた方でもあります。
私は面識はないのですけれど、2012年、カウスティネン民族音楽祭の会場で何度かすれ違いました。
フィンランドの方は、歳を重ねると、ずいぶん体型が変わってしまう方も多いけれど^ ^;;;
ハンヌ・サハさんは、このすっきりとした雰囲気、あまり変わっていませんでした。



  1. 2018/10/07(日) 22:37:25|
  2. kantele/カンテレ
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