あらひろこ さんが出演予定だった「知里幸恵 生誕120周年コンサート」
(於:登別
「知里幸恵 銀のしずく記念館」 )、
あらさんのご主人浩昭さん、サルミアッキ(5人)、ビョルンで聴きに行ってきました。
「
知里幸恵 銀のしずく記念館 」の空間に
あふれ満ち満ちるアイヌシンガー
豊川容子 さんの歌声、
アイヌ語のリズミカルな繰り返す響き、心地よかった〜。
私が座っていた位置からは
容子さんの写真がうまく撮れなかったのですが、
室蘭民報さんの記事と写真 がすてきでした。
そして、八島紫帆さんが奏でる、
あらさんのオリジナル曲「遠い旅の記憶」「ナイトフラワー」
やさしくてあたたかくて沁みました〜。
八島さん、ずっと弾き続けてね💞
最後に、あらさんがアイヌ神謡集を題材に作曲された
「銀の滴降る降るまわりに」、お二人での演奏。✨
ずっとずっと聴いていたかった。💞
photo:Ayumi Nakamura
photo:Ayumi Nakamura
記念館の裏手の大きな木の梢では、
ウグイスがそれはそれはきれいな声でずっと歌ってました。
帰り道、登別の丘から絶え間なく聞こえてくる
カッコウなどの鳥たちの歌声にも心和む。
バス停前のキングサリも美しかった。
ひろこさんは、肉体を離れてから、
変幻自在、融通無碍(ゆうずうむげ)、
聞こえてくるもの見えるものの中に、
いつもどこにでもいるなと私は感じています。
登別の新緑の林や森で
にぎやかに楽しそうに鳴いていた鳥たちの声から、
白樺のカンテレの誕生譚を連想し、
帰宅後、『カレワラ Kalevala』第44章189〜196行、読み直す。
Kun käki kukahtelevi,
Sanoin viisin virkkelevi,
Kulta suusta kumpuavi,
Hopea valahtelevi
Kultaiselle kunnahalle,
Hopeiselle mäelle;
Siitä naulat kantelehen,
Vääntimet visaperähän.
カッコウがカッコウカッコウと鳴いて
五つの語を発すると
金が口からあふれ出て
銀がとうとうと流れ出て
金の小山へ
銀の丘へ
それがカンテレの釘に
カンテレのネジに
日本語訳:こうのちえ
参考:Avoin Kalevala(公開カレワラ、
http://kalevala.finlit.fi )
〜〜〜〜
白樺のカンテレの誕生譚からも
金や銀があふれ出て、
また「銀の滴降る降る」
ランラン、
無限ループ。
2022年9月に収録が行われた、
豊川容子さんとあらひろこさんの
ライヴ録音アルバム『ランラン』は、
あらひろこオフィシャルウェブサイト 内
「
Pikku lintu kantele ウェブショップ 」にてお取り扱い。
photo:Ayumi Nakamura
2023/06/08(木) 23:24:26 |
kantele/カンテレ
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あらひろこ さんが5月5日に旅立たれてからも時は止まらず流れゆく日々。
ひろこさんへの想いは悲喜こもごもてんこ盛りにありすぎて、
どこから手をつけていいのやら、
手をつけても収拾つかないことになりそうなので、
それをまるっと抱きながら少しずつ進んでいく日々です。
(共通の友人たちやひろこさんのご家族とその時々に共有しながら。)
それでも、私は、歌とカンテレのサルミアッキの活動や練習で、
ひろこさんに会う機会も多かったし、
今年になってからも、
ひろこさんが関わられていたカンテレ関連の
ものごとのサポートや打ち合わせのグループメールなどで
頻繁に連絡を取り合っていたので、
療養されていることや、ご様子もなんとなくは知っていて、
こんな日が来るかもしれないことを、
じょじょに少しずつ覚悟をする時間をいただけたことは
しあわせなことでした。
20年余り前に義父が亡くなった時は、
身近な人の死をどうやって受け入れたらいいのか
皆目見当もつかず打ちひしがれる日々でした。
その後、玄侑宗久さんの
『アミターバ-無量光明』 という小説に出会ったことで、
なんとか少し折り合いをつけたり受け止めたりできるように。
(でも、けっして簡単ではないけれど。)
小説では、亡くなった人の魂は現世のからだを離れると、
辛さや痛み、不自由さなどからも自由になって、
その人のエッセンスのような状態でどこにでも存在できて..
というようなことが描かれているのですが
(玄侑さんが使っている言葉はもっと論理的かつ文学的^^;;;)
その後、自分の両親を見送った時に、それがほんとうに実感できて腑に落ちました。
ひろこさんも、旅立たれたあと、
ご本人らしいエッセンスのようなおだやかないい状態でいらっしゃることを、
私にわかる形で知らせてくれたので
そう受け止めて進んでいけばいいのだなと思っています。
2023/05/28(日) 08:32:16 |
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歌とカンテレのサルミアッキ、初めての東京でのライブです🎶
12月の第1週、2週の土日に東京巣鴨の
レソノサウンド さんにて「
北欧会 〜冬はじめの音色 〜 」開催♪
北海道在住のカンテレ奏者
あらひろこ と親交のあるミュージシャンや北欧音楽愛好家たちによる
4つの北欧音楽ライブ(Seljefisk〈セリエフィスク〉、Salmiakki〈サルミアッキ〉
あらひろこ×峰村茜×織田優子、あらひろこ・藤野由佳 デュオ)、
手仕事ワークショップ(白樺の枝と羊毛で作るトムテ、ダーラナホースの石鹸)、
北欧グッズやCDの販売も。
各イベントの詳細は、
レソノサウンドさんのウェブサイト にて。
◎Salmiakki〈サルミアッキ〉ライブ◎
日時:12/4(日)13:30開場、14:00開演
会場:
レソノサウンド 東京都豊島区巣鴨1丁目3-3 ※JR巣鴨駅から徒歩3分ほど
出演:
あらひろこ 、菊地文乃、こうのちえ、清水真理、すがの順子、髙田早苗、堀岡真由美、よこたにかずみ
チケット:前払い 3,500円 / 当日払い 4,000円
ご予約・お問い合わせ:レソノサウンド
tel: 03-3945-5108
mail: info@resono-sound.com
氏名、ご希望の公演、ご連絡先電話番号、枚数を添えて上記連絡先までご連絡ください。
※前払いについて
前払いをご希望の方は、ご予約時にその旨をお知らせください。(ご予約だけでは前払い料金とはならないことをご注意ください。)店頭では前日18時までに、銀行振込の場合は前々日の18時までにお支払いください。店頭でのお支払いでは、レシートがチケットとなりますのでライブ当日にご呈示ください。銀行振込でお支払いいただいた方には、入金確認のメールを前日までに差し上げます。そのメールが不達の場合は、恐縮ですがご連絡いただくようお願いいたします。振込先口座情報につきましては、予約受付メールまたは電話でお知らせいたします。なお、イベントの開催中止・延期を除き返金は一切ございません。どうぞご了承の上、お申し込みください。
2022/11/09(水) 20:42:04 |
Salmiakki/うたとカンテレのサルミアッキ
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VIDEO スウェーデンのモダンフォークバンド
Frifot の「Sommarvals」(夏のワルツ)、
7〜8年前に知って、それ以来、大好きなメロディです。
「Sommarvals」(夏のワルツ)は、
札幌カンテレクラブ(代表:あらひろこ)でも、
Frifot来日公演の際にLena Willemarkが歌ったと言われている
日本語歌詞のバージョンが歌いつがれています。
(Lenaさんが日本語歌詞で歌った音源があったら聴いてみたいなぁ💕)
また、シンガーのほりおみわさんによる日本語歌詞の「夏のワルツ」も
言葉がす〜っと届いてきて、私は好きです✨💓^^
どちらの日本語歌詞も、日本の北欧トラッド・ファンの間で親しまれ、
歌いつがれていることも素敵なことだなぁと感じています。
それはそれとして、
語学マニアとしては、元のスウェーデン語詩への興味が尽きず。
でも、日本の北欧トラッド・ファンの間で知られているスウェーデン語歌詞は
どなたかが聞き取って文字に起こしたものらしく
ところどころ、???なところがあって、
正確な原詩を知りたいとず〜っと思いながら、幾年月。
1ヶ月ほど前に、ふと思い立ち、北海道当別町にある
スウェーデン交流センター の
交流員のビクトルさんにたずねてみたところ、
facebookの「
Svenskt & nordiskt folkmusikjam i Stockholm på tisdagar 」
(毎週火曜にストックホルムで開催されている
スウェーデン&北欧フォークミュージック・セッションのグループページ)
のこちらの記事をご紹介いただきました。
https://www.facebook.com/groups/554349561393554/posts/1098732060288632/ これで、やっと歌詞の全文がわかりました!
ビクトルさん、ほんとうにありがとうございます!
Tack så mycket !!
(ちなみに、ビクトルさんがinstaで発信されている「今日のスウェーデン語」も
スウェーデン語学習者におすすめです! ぜひ、フォローを🇸🇪🎶
https://www.instagram.com/swedishcenterfoundation )
また、あらためて、Frifotのアルバム『Flyt〜揺蕩う』(2007年)の
ライナーノーツを確認してみました。
Ale Möller作曲のこの曲は、1990年代からインストゥルメンタルで演奏されてきたもので
北欧フォークを紹介する、いくつかのアルバムにも収録されており、
日本の熱心なフォーク・ファンを中心に楽曲の美しさが語り継がれ、
北欧フォークの代表曲として親しまれきたそう。
後に、Ale Möllerが、
Gabriel Jönsson の「Högsommar」(真夏)という詩に出会い、
「Sommarvals」のメロディにうまくはまることに気がついて
歌としても歌われるようになったそう。
ガーブリエル・ヨンソンGabriel Jönsson (1892-1984)は、
スウェーデンのスコーネ(Skåne)出身の詩人。
「Högsommar」(真夏)という詩は、
エーレスンド海峡 (Öresund、デンマークとスウェーデンの国境の海峡)に浮かぶ
小さな島
ヴェン島 (Ven/Hven)の夏についてうたわれたものだそう。
原詩がちゃんとわかったら、
やっぱり自分の言葉で訳したい欲求がグッと高まって^^
『
スウェーデン語の基本単語〜文法+基本単語3000 』(三修社)や
ネットのスウェーデン語=英語辞書を引きながら、
背景情報も調べながら日本語に訳してみました。
Ven島の夏の景色に想いを馳せて
調べている最中が楽しくて楽しくて^^♪
(上記、リンクを貼ったwikipediaの記事には、けっこう写真も載ってます。^^)
基本的には行単位で直訳的に。
でも、おそらく作者が想い描いていたであろう景色を想像するのが
日本人には難しそうに思われる箇所にはちょっと言葉を足したり、
俳句の直しをする時みたいに語順を入れ替えたり品詞を変えたりして
文学的な意訳もしてみました。
メロディに合わせて訳したわけではないので、
この訳では歌えません。
目で読んで鑑賞する訳詩として。
何年も積み残してきた夏休みの宿題をやり遂げた気分。
私の今年の夏も、これでやっと終わります。^^
**********************
Blå som elden är junidagen 火のように青い6月の日 Brisen är blå vid middagstid 真昼に青くそよぐ風 Sakta ljusnar sädesslagen ゆっくりと色づく穀物 När höet körs in i frid 牧草がのどかに刈り取られる頃 Backens timjan ger av sin krydda 丘のタイムは香りを放ち Gulmåran ger av sin söta lukt 黄花の野草は 甘く香る Alla husen står roseneprydda どの家も薔薇に彩られ Sandstranden slår sin bukt 砂浜には波が 打ち寄せる Bortur sunnan blank blir nu kvällen 輝く陽は沈み 今 暮れゆく Havets bleka väg blir nu sakta blå 海に映る淡い光の道 ゆっくりと青に染まる Som ett oker av lin med fällen 枯れ草色の亜麻の花の粒(つぶ)のように Som ett silverligt daggfäll uppå その上で銀色にきらめく露(つゆ)のように Stilla blundar nu sommarnatten 今 夏の夜は静かにふけて Rosen är grå och gryning är grön 薔薇は薄墨色に 夜明けは碧(あおみどり)に Medan blanka varma vatten あたたかな海は輝きながら Lägger armarna om vår ö 我らが島を抱きしめる **********************
(写真:スウェーデン語版wikipediaの「
Ven島 」の項より借用。CC BY-SA 4.0)
Ven島は面積約7.5㎢の小さな島だそう。
(北海道の洞爺湖の中島や沖縄の竹富島の1.5倍くらい。)
それと.....、詩の冒頭の
Blå som elden... / 火のように青い... というフレーズがずっとひっかかっていて...。
青い火って、まさか、ガスの炎じゃあるまいし?!
いろいろ調べてみていたら、
「
Blåeld ブローエルド 」という野草があると知りました。
学名:Echium vulgare / エキウム・ブルガレ、
日本語では「シベナガムラサキ」。
スウェーデンではよく知られた野草で、
6月〜7月に可憐な青い花を咲かせるそう。
(写真:英語語版wikipediaの「
Echium vulgare 」の項より拝借。CC BY-SA 4.0)
また、北欧の食器好きの方は、ブローエルドと聞くと
RörstrandのBlåeld の図案を思い浮かべる方もいらっしゃるかも?!
こんなふうに調べていくと、ガーブリエル・ヨンソンさんは、
長い茎に可憐な青い花を付けたブローエルドが群生する
夏の野原を想い描いていたのかも?!
もし、その予想が当たっていたならば、1行目は
Blå som elden är junidagen / 6月といえば ブローエルドの花の青 とも訳せるかな〜と考えてみたり。^^
また、余談ですが、ガーブリエル・ヨンソンさんの奥さまAnna-Margaretaの
愛称は「Annika」アンニカだったそう😉
広げた想像の翼は果てしなく...^^♪

2022年10月5日(水)追記:
広げた翼は、まだ羽ばたき続けております〜^^
” oker av lin med fällen ” のところは
亜麻の薄紫の花が咲き終わって
こんな感じで枯れ草色の花殻の粒々が
茎にいっぱいついている状態のことではないかしら?
(写真:こうのちえ 札幌市北区 2022年8月27日)
というわけで、訳文は以下のように差し替えました。
Som ett oker av lin med fällen 外皮のついた黄褐色の亜麻のように ↓ 枯れ草色の亜麻の花の粒(つぶ)のように Som ett silverligt daggfäll uppå その上の銀色の露のように ↓ その上で銀色にきらめく露(つゆ)のように 「露(つゆ)」を「雫/滴(しずく)」とすることも考えたのですが、
(推敲している時に、ちょうどNHKでやっていた
『100分de名著「アイヌ神謡集」知里幸恵』 を見て、いたく感じ入り、
「銀の滴降る降るまわりに」の表現にちょっと引っ張られて。笑 )
前の行で、「花の粒(つぶ)」という単語を使ったので、
「つ」の音でそろえて「露(つゆ)」としてみました。
これで、ほんとうに今年の夏は終わりかな?!
札幌は最高気温も20度を下回って、
寒がりの私は部屋で毛糸のオーバーソックスを
履くような季節になりました。
2022/09/25(日) 01:21:12 |
kansanmusiikki/民族音楽
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3月26日(土)にオンラインで行われた
日本バラッド協会 の会合にて
こちらの演奏動画をご視聴いただきました。
サルミアッキのすがの順子さんと私で解説も
させていただきました。
VIDEO 貴重な機会をいただきありがとうございました。
また、日本バラッド協会のウェブサイトには、
当日、使用した
パフォーマンス配信動画資料 を
4月1日まで掲載 いただいています。
[資料の内容]
・サルミアッキのVirtuaaliKaustinen2021参加動画の日本語解説。
・演奏曲の歌詞(フィンランド語、日本語訳)
・「北欧フィンランドの伝統弦楽器カンテレ」
〜北海道におけるカンテレ文化とフォークミュージックの受容
ご関心をお持ちの方はどうぞご覧ください。
日本バラッド協会 第13回会合-発表資料 (
4月1日まで掲載 )
本来は、昨年、日本バラッド協会主催で
北海道で行われることになっていた「音楽祭」で
サルミアッキは演奏をさせていただく予定だったのですが
感染症の状況で延期に。💦
音楽祭の実現も楽しみにしています♪
2022/03/30(水) 21:24:32 |
Salmiakki/うたとカンテレのサルミアッキ
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